No.005-001 "ABS"

ABS(Anti-lock Brake System)とはその名の通り低μ路や急制動時において車輪がロックすることを防ぐ装置である。
スキッドECUへ4輪の車輪速センサの信号が入り、4輪の車輪加速度を演算し、スリップ状態を判断する。
使用するアクチュエータは保持S/Vと減圧S/Vで、それぞれをON,OFFすることでS/Vの開閉、BFを増圧、保持、減圧する。
増圧時は保持,減圧共にOFFで保持側は開、減圧側は閉となっている。BFは保持S/Vを通り、B/Cに液圧を伝える。
※増圧状態が故障時の状態となる。
保持時は保持S/VがON, 減圧S/VはOFFで両方とも閉となっている。BFは保持S/Vと減圧S/Vに阻まれ、保持される
減圧時は保持,減圧共にONで保持側は閉、減圧側は開となっている。BFは減圧S/Vを通り、リザーバタンクに戻る。
※M/SカットS/V、吸入S/V、プリチャージS/Vはいずれの状態でもOFFである。
ABS搭載車と非搭載車での相違点は以下の通りである。
・ブレーキペダルを踏んだままE/Gを始動するとペダルが持ち上がることがある。(セット状態になった)
・ブレーキペダルを踏んだ状態でE/Gを止めるとペダルが入り込む。(セット状態解除)
・ブレーキペダルを踏んだままハンドル操作をするとペダルにショックが発生する。
・ABS作動時に車体が振動する。(正常に作動している証拠)
・ABS作動中にペダルが時々入り込むことがある。(路面μが変化したため、エア混入と間違わないように注意すること。)
またABS搭載車でもタイヤをロックさせたほうが制動距離が短くなる場合がある。
・柔らかい新雪(ロックさせたときの摩耗係数が最も大きい)
・砂利道(ロックさせると前方に砂利が溜まってストッパーの役割を果たす)
・タイヤチェーン装着時(ロックしている方が雪に食い込みやすくなる)
初期作動確認機能はIGN ON後車速が6km/hを超えるとブレーキアクチュエータ内の各種S/Vを作動させ電気的な点検を行う。
ブレーキペダルを踏んでいると初期作動は行われず、ペダルを離した時点で作動確認を開始する。
異常時はブレーキウォーニングランプとABSウォーニングランプの同時点灯で知らせる。
フェールセーフではランプを点灯させ、ABSだけでなくTCS、VSCS、ブレーキアシストの作動を禁止する。
余談:ブレーキアシストも似たような仕組みである。
あくまで踏んでいる力以上のものを発生させなければならないため、M/SカットS/VをONして閉じ、吸入S/VをONして開き、ポンプを駆動させている。
そうすることで踏んでいる力よりも多くBFがB/Cに供給されブレーキが掛かるという仕組み。
参考資料:005-001_01
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参考資料:005-001_02
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参考資料:005-001_03
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